何かまた荒れてるみたいなんで、チョイと気分転換な話を・・・・
私の先輩の事。
高校に入って漫研の扉を叩いた時、その先輩に初めて言われた言葉が「嫌いな漫画って何?」でした。
最初の課題は「じゃ、その漫画を買ってきて模写するように。」でしたね。
先輩は「自分の好きな物しか描けないと世界が広がらない」と言っていました。
「好きな物をたくさん描けるようになっても、円周が広がるだけで高い位置に行けない。」
「自分の位置が一段高くなると、地表から見ていた景色が変る。」「今まで見ていた物が違った形で見えてくる。」
「好きな物への努力は一番簡単な努力。苦手な物を克服する努力は自分を向上させる実力になる。」との事でした。
その先輩は、あらゆる漫画のキャラを原作者と殆ど同じタッチで描いていました。
基本的なデッサン力と、原作者のペン入れと抜きの癖を覚えれば誰にでも出来ると言っていましたが、
どうやっても真似できるようなレベルじゃなかったです。
私が先輩に「苦手な物って何ですか?」と聞いたら「メカ物」だと言っていました。
それでもアニメ雑誌の設定を見ながら、フリーハンドでエルガイムMrkⅡのムーバブルフレームを「ポーズを変えて」描いていました。
それを見て「どこが苦手なんだよ!?」と思いましたよ。w
本人が言うには「線の強弱が使えないから」との事でした。
その先輩が卒業するまでの一年間は、ただただ驚きと尊敬の毎日でしたね。
毎日、ノートに余白がなくなるまで、夢中になって描いている姿が今でも目に焼き付いてます。
よく部員達と「かけ網レース」をして遊んでいましたが、その先輩がダントツに早かったです。
絵を描いていない時は、医学書の解剖図や小説を読んでいました。
人体の構造の勉強と、文章のイメージを絵に起こす訓練だそうです。
卒業してから一度だけ、先輩が文化祭に遊びに来てくれました。
仕事のことを聞いたら「凄く辛い」「俺より上手くて早いヤツがゴマンといる」「だから負けていられない」と言って笑ってました。
だから何?と言われたら返す言葉もありませんが、プロになった人の言動が何かの参考になればと思いました。
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